ご挨拶

第123回日本眼科学会総会開催にあたって

第123回日本眼科学会総会 総会長 平形 明人
第123回日本眼科学会総会
総会長 平形 明人
(杏林大学医学部眼科学教室 教授)
 平成31年4月18日~21日、東京フォーラムにおいて第123回日本眼科学会総会を担当させていただきます。村田敏規プログラム委員長(信州大学眼科教授)をはじめプログラム委員会の諸先生方、福下公子副総会長(東京都眼科医会会長)、日本眼科学会理事・評議員の皆様、日本眼科学会事務局の皆様には、多大なご支援とご協力をいただき厚く御礼申し上げます。
 杏林大学が日本眼科学会総会を主管させていただくのは初めてです。昭和45年に杏林大学眼科学教室が開設されてから約48年にわたる教室員の努力の積み重ねが評価されたものと感謝します。事務局長の厚東隆志をはじめ教室員の協力のもと、大規模となった本会を意義の深いものになるように準備させていただきます。
 さて、学会のテーマに「光の向こう」という言葉を掲げました。医療が進んでも、失明する患者さんもいますし、視力が回復しても満足しない方もいます。眼科医は、そういう方の希望の光になれるように様々な立場で臨床研究や基礎研究を行い、再生医療、人工視覚、ビッグデータ解析などを一歩一歩追究しています。そういう眼科医が一堂に会する本会を、各分野のイノベーションや先端技術を開発している先生方の共有する思いを大切にして未来の光を見据えた学術集会にしたいという意味をこのテーマに込めました。その光の輪を広げるように、学会の国際化の流れも継承します。
 本学会の特別講演は、小椋祐一郎教授(名古屋市大)と井上幸次教授(鳥取大)が担当されます。それぞれ網膜硝子体と角膜のビッグリーダーのお二人であり、長年の研鑽の集大成をご講演いただきます。また、招待講演は、プログラム委員会の推薦をいただいて、Roger W. Beuerman教授 (Singapore Eye Research Institute)をお招きしました。眼の発生・遺伝子研究から屈折異常と近視の発生メカニズムなどを研究されてこられた大御所です。将来の屈折異常の基礎研究と臨床の展望をお伺いできると思います。もう一人の招待講演はMark S. Humayun教授 (University of Southern California Keck School of Medicine)にお願いしています。眼科レジデントの時から人工視覚の研究を開始し、Argus®を開発して、すでに世界で100人以上に埋植しています。そのイノベーションの経験や現在着手している網膜再生についてご講演いただきます。
 評議員会指名講演は本会の中核のプログラムです。今回のテーマは「難治性眼疾患への挑戦」で、
雑賀司珠也先生(和歌山県医大)、蕪城俊克先生(東京大)、角田和繁先生(東京医療センター)のそれぞれ異なった専門分野の研究を牽引する先生方が、各分野の難治性疾患の病態解明と治療開発に挑戦して得られた成果を発表されます。
 プログラム委員会の諸先生方のご尽力で、シンポジウムは18テーマ、教育セミナーは10テーマと幅広い
セッションが企画されています。また、近年の本会の国際化推進の流れを継承して、International Symposiumも海外からの演者を含めて行います。海外からの演者と交流する場が広がるように時間配分にも留意したいと思います。そして、プログラム評価委員会などでも本会で最も尊重すべきと指摘される一般演題はできるだけ質疑しやすいように、講演の時間配分や学術展示の方法に配慮したいと思います。どうか多くの一般演題を応募くださいますようにお願いします。
 東京フォーラムは学会場としてなじみ深い場所ですが、翌年の東京オリンピックを控えて東京駅前は皇居まで続く広大な広場となり、東京ミッドタウン日比谷もオープンしました。急速な眼科学の進歩を活発に語り合って眼科学の光の輪を広げられるように、どうか国内外の仲間を誘って奮ってご参加ください。

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