第28回日本顎変形症学会総会・学術総会

ご挨拶

古郷 幹彦

第28回特定非営利活動法人 日本顎変形症学会総会・学術大会 大会長
古郷 幹彦
大阪大学大学院 歯学研究科 口腔外科学第一教室 教授

 この度、第28回特定非営利活動法人日本顎変形症学会総会・学術大会を2018年6月14日(木)、15日(金)の2日間にわたり、大阪駅に隣接するグランフロントにあるナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターにて開催させていただきます。大阪大学大学院歯学研究科 口腔外科学第一教室が担当させていただくのは昭和60年第4回顎変形症研究会(当時 宮崎正教授)以来です。当時はまだ学会ではなく研究会でした。30年余を経過しておりますが、その間の顎変形症手術の進歩は著しいものがありました。現在は大阪大学歯学部附属病院におきましても顎変形症治療の重要性は年々増しており、本学術大会を開催させていただくことは大変な名誉でございます。小林理事長を始め役員並びに学会会員の皆様に深謝いたします。

 現在の私どもの教室では口唇裂・口蓋裂などの先天異常疾患と顎変形症の手術が患者数も多く臨床の大きなテーマとなっております。口唇裂口蓋裂の治療は乳幼児期から成人に至るまで継続していただいており、近年その治療の進歩・発展が見える形になってまいりました。一方で、ロバン症候のような小顎症の患者では乳幼児期や学童期に上気道に問題を抱えることも増えており、患者の状態に合わせた多様な治療体系を備える必要性も増してまいりました。

 大会長を拝命し、会員の皆様に有益な大会とするためには、わたしどもが直面しているような難症例への対応や、上気道や睡眠関連呼吸障害に対する治療など多様なニーズに応えることが必要と考えました。継続的な学術研究により、より良い顎変形症治療を考案し続けることも必要ですし、教育プログラムを充実させることで次世代の人材育成を行えるようにすることも急務であります。さらに、新規技術に関しては3次元的な形態評価や手術支援などの発展が目覚ましいところです。

 このように、顎変形症治療は将来に多様な可能性を秘めております。そこで本大会のテーマとして「顎変形症治療の展望 Future prospects of jaw deformity treatment 」を掲げ、実りある会といたすべく、関係者一同鋭意準備を進めております。

 特別講演にオランダ、ユトレヒト大学メディカルセンター、ウィルヘルミナこども病院 小児形成外科の Corstian C. Breugem 先生をお迎えして小児の小顎症に起因する上気道呼吸障害の外科治療について “Quality of Care in Robin Sequence patients.” のご講演をいただく予定です。また、教育講演には台湾のChang Gung Memorial Hospital 、矯正歯科の Eric Liou 先生をお招きして外科的矯正治療に関わる歯科矯正治療の最近のトピックスの中から “Surgery first surgical orthodontics in patients with mandibular retrognathism.” をお話いただく予定です。

 学会プログラムは現在準備中ですが、睡眠関連呼吸障害に関するシンポジウムでは睡眠の基礎から外科矯正治療による治療までを網羅できるように計画中です。人材育成のためのプログラムとしては次世代の顎変形症治療を担う若手の先生方向けのセミナーを手術と矯正に分けての開催を計画しております。その他のシンポジウムとしては、先天異常を含めた難症例への対応について、新規技術である3次元画像を用いた治療計画や3次元画像での治療評価などの広義のComputer Assisted Surgery (CAS) に関するシンポジウムを計画しています。一般演題は口演、ビデオ演題、ポスターで予定させていただき、優秀ポスター賞の表彰を予定しています。奮って演題申し込みをしていただければ幸いです。なお、学術集会前日には教育研修会を、6月20日(水)には大阪大学大学院歯学研究科の弓倉記念ホールにて市民公開講座を予定しております。大会初日、14日(木)夕刻からは大会会場であるコングレコンベンションセンター内で会員懇親会を計画しております。利便性の高い場所でございますので、奮ってのご参加をお待ちしております。

 最後に多くの会員諸兄にご参加頂き、活発なご討議が行われることを目指し、教室員一同準備を進めお待ち申し上げます。

2017 年 11月吉日

謹白