第40回日本骨・関節感染症学会

会長挨拶

第40回日本骨・関節感染症学会
会長  市村 正一
(杏林大学医学部整形外科学教室  教授)

2017年6月16日(金)、17日(土)の2日間、第40回日本骨・関節感染症学会を新宿の京王プラザホテルで開催させていただくことになりました。本学会は1978年に日本骨・関節感染症研究会として発足し、2006年からは日本骨・関節感染症学会として発展してまいりました。その第40回という節目の学会を杏林大学医学部整形外科学教室が担当できますことを大変光栄に存じますと共に、身の引き締まる思いです。整形外科領域の手術療法は目覚ましい発展をとげており、特に人工関節や脊椎インストゥルメンテーション手術は増加の一途で、運動器疾患の患者に多大の恩恵をもたらしました。近年は超高齢化社会の到来により高齢者への適応も急速に拡大するなど、全身状態が危惧される例の手術も増加傾向にあります。一方で、手術部位感染(SSI)は未だに頻度の高い術後合併症の1つであり、いったん生じますと患者への肉体的、精神的、および経済的に多大な負担を強いることになります。時には術前よりもQOLが低下することもあります。このためSSIの予防は現在も臨床上の喫緊の課題ですが、エビデンスが不十分のため未だ確立されておりません。2004年に当学会は、日本整形外科学会学術研究プロジェクトとして人工関節置換術および脊椎インストゥルメンテーション手術後感染の全国調査を実施いたしました。その調査からはすでに10年以上経過しております。この間2013年には人工関節周囲感染(PJI)について、国際コンセンサス会議が開催され、SSI予防について一定のコンセンサスが発表されております。このため、当学会では、本邦におけるSSIの実態について再調査する必要性を認め、人工関節(TKA、THA)と脊椎インストゥルメンテーション手術後のSSI発生の前向き全国調査を計画しました。そこで、第40回本学会のテーマを「整形外科領域における手術部位感染(SSI)の克服」といたしました。学会では、その全国調査のパイロットスタディの結果も発表される予定です。もちろん、骨・関節感染症に関する一般演題も多数応募いただきたいと考えております。
我が国における骨・関節手術後の感染制御を目的とする本学会に多数の参加を期待しております。

平成28年9月