第77回日本弱視斜視学会総会

会長挨拶

第77回日本弱視斜視学会総会
会長 根岸 貴志(順天堂大学 医学部 眼科学教室)

 第77回日本弱視斜視学会総会の総会長を務めます、順天堂大学医学部眼科学教室の根岸と申します。梅雨も終わりを迎える東京にて、2021年7月2日(金)・3日(土)の2日間、長い歴史のある日本弱視斜視学会総会の総会長を担当することができ、大変光栄に存じます。
 今回は11年ぶりの東京開催となります。例年日本小児眼科学会と合同開催されておりましたが、日程と会場の関係から本年は単独開催となりました。

 昨今の環境変化から、2020年の総会はウェブ開催となりました。2018年の総会が集中豪雨の影響を受けた過去もございます。2021年の総会は、滞りなく開催できるよう願っておりますが、見通しが不透明な状況のなか、どのような状況下でも研究成果の発表を行って頂けるよう、万全の準備を整えて参ります。

 本会のメインテーマは「ロジックとアート」に致しました。順天堂大学は駿河台・本郷に位置し、歴史的にも教育機関が多く集まり芸術に寛容な地に佇んでおります。本来アートとは、芸術というだけでなく、artificialという単語でもわかるとおり人工・技巧・技術という意味があります。斜視・弱視の治療に当たっては、ロジックに沿った治療計画が必要ですが、必ずしもロジック通りに完治するわけではありません。最終的には技術(アート)も結果に反映されます。理論を技術に、アタマから手に、机上の論理を患者さんに届ける、論理と美学のどちらも欠かすことはできないといった意味を込めて、「ロジックとアート」という大きなテーマを本学会の標語といたしました。テーマに沿ったシンポジウムや企画を多数用意致しますので、参加者の方々にはおかれましては、医学的根拠のあるロジックに基づいて、自然に対して人間の力(アート)で戦っている姿を想起できるような、素晴らしい研究成果の発表を期待しております。

 今回の特別講演は私のMentorである浜松医科大学眼科臨床教授の佐藤美保日本弱視斜視学会理事長にお願いすることにいたしました。佐藤先生との出会いは私のキャリアに大きな影響を与え、臨床に対する姿勢、研究の方法論など、一からすべて教えて頂きました。佐藤先生は長年にわたる上斜筋麻痺の研究成果から、2019年にシドニーで行われたAAPOS – RANZCO – APSPOS Joint Meetingでは、Knapp Lectureを担当されるという栄誉に輝かれています。海外での評価も高い佐藤先生にご講演頂けることは個人的に感無量の思いでおります。

 初夏の東京にて、自然のロジックを技巧的なアートに導く科学的な眼を発表頂き、活発な討議・交流を行って次世代の弱視学・斜視学の発展へと繋がることが出来ればと願っております。