この度、第48回日本病院薬剤師会近畿学術大会を、2027年1月30日(土)・31日(日)の両日にわたり、現地集合型により開催させていただくことになりました。
大会のテーマは、「拓け新たな地平 ~そらみつ大和にひびく叡智~」といたしました。
「そらみつ」とは、大和にかかる枕詞で、ニギハヤヒノミコトが天空からこの国を眺め、住みよさそうなところへ天降ったことにちなんだという言い伝えがあります。奈良は古来より「くすり発祥の地」として知られており、病に苦しむ人々を救いたいという一心で、草の根や木の皮に可能性を見出した人々がいました。それは時を超えて、今、私たちが日々医療現場で向き合う「薬に託された願い」となっています。この歴史ある地で、医療を支える皆様の叡智が響き合うことに、深い感銘を覚えております。
今、私たちを取り巻く医療環境は、大きな転換点を迎えています。働き方改革、AIの普及、地域医療構想をはじめとする医療提供体制の見直しが進展する中で、病院薬剤師の役割も、これまでの枠組みにとどまらない広がりが求められています。しかし、どれほど時代が変わっても、私たちの仕事の本質は揺らぎません。それは、「患者さんの不安に寄り添い、最も近いところで薬物療法を支える」という使命です。AIやデジタル技術が進歩しても、患者さんの変化を感じ取り、心に触れることができる。これこそが、私たち病院薬剤師の揺るぎない強みです。
大会ポスターをご覧いただけたでしょうか。我々の仲間である病院薬剤師が、心を込めて描いてくれた作品です。描かれているのは、奈良で古くから栽培されてきた当帰と芍薬。美しい花を咲かせる一方で、人々を救う薬となるのは、土の中に深く広がる「根」の部分です。私たちの仕事も、まさに同じではないでしょうか。表舞台に立つことは、そう多くないかもしれません。それでも、患者さんの変化に気づき、医療チームを支え、現場に深く根を張りながら日々業務を積み重ねていく。その一つひとつが、医療を支える確かな土台となっています。この一枚の絵に、そんな病院薬剤師の姿を重ね合わせています。
この大会を通じて、未来の病院薬剤師の新しい輪郭を描き出していきたいと思います。長い歴史と伝統を受け継ぎつつも、新たな挑戦を恐れず、自らの手で未来を切り拓く「開拓者」として歩んでいきたいのです。私たちの叡智と情熱が、大和の地で響き合い、明日への確かな一歩となることを願っています。