ご挨拶

第76回日本東洋医学会学術総会
会頭 貝沼 茂三郎
(富山大学学術研究部医学系和漢診療学講座 教授/
富山大学附属病院和漢診療科・診療科長)
東洋医学の発展~次世代への新たな挑戦~
2026年6月12日(金)から14日(日)までの3日間、富山国際会議場ならびに富山市民プラザにおいて、第76回日本東洋医学会学術総会を開催いたします。本総会の会頭を拝命いたしました、富山大学学術研究部医学系和漢診療学講座の貝沼茂三郎でございます。歴代会頭の先生方はいずれも、東洋医学に深い造詣と卓越したご見識をお持ちの方々ばかりであり、その系譜の中で若輩者である私に何が求められているのか、熟考を重ねてまいりました。その思索の末に至った結論が、本総会のテーマ「東洋医学の発展 ~次世代への新たな挑戦~」です。
現在、東洋医学を取り巻く環境には、人材育成、教育・研究体制、生薬の安定供給、さらには保険制度の問題など、多くの課題が山積しています。これらについては、これまでも繰り返し議論され、さまざまな取り組みが行われてきましたが、十分な解決には至っていないのが現状です。そこで本総会では、従来の枠組みにとらわれず、新たな視点と発想で未来への突破口を見いだす場としたいと考えております。さらに、総会準備を進める中で私自身が強く意識するようになったのは、「新たな挑戦」のその先にある世界です。私なりの答えは、東洋医学と西洋医学の“二刀流”が特別ではなく、当たり前となる医療の未来を目指すことでした。
本総会では、その実現に向けた数多くのユニークな企画をご用意しております。特別企画としては、本県出身の落語家 立川志の輔師匠による特別公演をはじめ、若手医師が第一線で活躍される高名な先生方に直接質問できる Meet the Expert、参加型の舌診セミナー、腹診に不安を抱える若手医師を主な対象とした腹診実技セミナーなど実践と対話を重視した企画が揃っています。また、富山大学薬学部附属薬用植物園や、富山大学和漢医薬学総合研究所民族薬物資料館の見学ツアーも予定しており、富山ならではの学術資源に触れていただく機会を設けました。
次世代育成への取り組みとしては、経験豊富な先生方と、専門医取得後間もない若手医師とを組み合わせた形で一般演題の座長をお願いしております。さらに、子育て世代の先生方にも安心してご参加いただけるよう、無料託児所も開設いたします。
本学術総会ではオンデマンド配信も実施いたします。現地で聴講できなかった講演を後日じっくりと視聴していただき、日常診療や教育・研究にお役立ていただければ幸いです。なお薬剤師の皆様は、現地参加により漢方・生薬認定薬剤師研修単位を最大9単位取得することが可能です。そのほか、好評を博した鍼灸実技セミナー、看護と漢方、学生企画、仲景杯なども開催予定です。
本年度はこれまで以上に多くの一般演題のご応募をいただき、そこには次世代へとつながる多くのアイデアが秘められていると感じております。一般演題はオンデマンド配信を行いませんので、ぜひ富山の地にお越しいただき、直接、活発な議論を交わしていただければと存じます。
本学術総会が、漢方を次世代へと力強く発展させ、東西医学の二刀流が自然に融合する未来へ向けた決起集会となることを願っております。皆様のご参加を、心より富山でお待ち申し上げております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

