ご挨拶

第16回日本臨床腫瘍薬学会学術大会(JASPO2027)
大会長 鈴木 賢一
東京薬科大学 薬学部
この度、2027年 3 月 6日(土)・7日(日)の 2 日間、アクトシティ浜松において、日本臨床腫瘍薬学会第16回学術大会(JASPO2027)を開催する運びとなりました。日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)は、がん薬物治療に関する学術研究の進歩や科学的根拠に基づいたがん薬物治療の開発・普及により、抗がん薬による最善の治療効果の実現、副作用の軽減、重篤な健康被害の未然防止を図り、がん医療の発展や公衆衛生の向上に寄与することを目的として2012年に設立されました。2025年12月31日現在、正会員数は6000名を超え国内でも有数の学術団体として今日に至っております。
2000年代に入り、分子標的薬や血管新生阻害薬さらにはがんゲノム医療、免疫チェックポイント阻害薬をはじめとしたがん免疫療法の臨床導入など、がん薬物治療は大きく変貌しました。一方、内閣府が公表した高齢社会白書「高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」によると、2024年の時点で総人口に対する65歳以上の割合は29.3%であり今後もその割合は増加し、2070年には38.7%(推計値)に達することを示唆しています。すでに超高齢社会に突入している本邦において、がん薬物治療の支援には代謝排泄機能の低下、認知症、栄養管理、がん悪液質、プレフレイル等への配慮が不可欠な時代となりました。薬剤師はこれまでに、制吐療法を中心としたガイドラインや添付文書の改訂につながる臨床試験や、「がん薬物療法体制充実加算」などの策定に関わる研究を通してがん薬物治療の向上に大きく貢献してきました。しかしながら今後は前述した高齢者特有の条件下において、いかに適切ながん薬物治療を提供できるかが重要になると考えます。
JASPO2027では、今日この瞬間も患者に寄り添う現場の薬剤師、そして次世代がん薬物治療のエビデンス創出に励む薬剤師によって患者を支えるがん薬物治療をイメージし、本学術大会のテーマを「今日を支え、明日を創る ~知と感性が織りなすがん医療の協奏曲~」としました。ここ風光明媚な音楽の街「浜松」での活発な議論を期待します。