第12回日本眼形成再建外科学会学術集会

ご挨拶

第12回日本眼形成再建外科学会学術集会
会長 渡辺 彰英
(京都府立医科大学眼科)

 日本眼形成再建外科学会が誕生して今年で12年目となります。12年は干支の一回りであり、我々も12年を一区切りとして人生を振り返ったり、将来を考えたりすることが身についている、そんな区切りのある年数です。この一区切りの12年間で、日本眼形成再建外科学会は日本における眼形成分野の発展に重要な役割を果たしてきました。柿崎裕彦先生の尽力により生まれた日本眼形成再建外科学会は、Don Kikkawa先生をはじめ多くの海外のエキスパートから学ぶ機会を得られるインターナショナルな学会、眼科や形成外科といった科の枠を超え、眼形成を専門とする医師のみならず、これから眼形成を志す医師、視能訓練士、義眼師と多業種が集い、日本における眼形成関連学会では最も多くの参加者を集める学会へと成長しました。この区切りとなる12回目の日本眼形成再建外科学会を主催させて頂けることを大変光栄に思います。

 第12回日本眼形成再建外科学会学術集会のテーマは「教学相長(ず)(きょうがくあいちょうず)」としました。「教学相長」とは、中国の四書五経の一つである「礼記(らいき)」の中にある、「人に教えることと人から学ぶことは互いに補い合い成長することに繋がる」という意味の言葉です。医学の進歩は、傑出した偉人の才能や努力だけではなく、先人の教えを受け学び、それを弟子に教えていくことが脈々と受け継がれた結果であると思います。人にものを教えるには、まず自分が学んでいなければなりません。教えてもらう者も、自分の勉強不足、力量不足に気づき、向上心を持ち続けることで成長していきます。眼形成の分野では、手術を教える、教えてもらうという関係が日常です。そのとき、教える者も教わる者もこの「教学相長」の精神で共に学び成長していきたいものです。これは眼形成分野における「眼科と形成外科」、「機能と整容」、「眼表面と眼瞼」の関係においても重要であり、眼科医と形成外科医は互いに教え合い、共に学び共に成長することを目標にし続けなければなりません。それが視機能と整容面の両立した眼形成手術、眼表面の機能を考慮した眼瞼手術を眼科医も形成外科医も行うことができることに繋がると思います。

 大会は2025年5月17日に京都府立医科大学附属図書館ホールで開催致します。京都御所と鴨川に囲まれ、紫式部の源氏物語執筆の地とされる廬山寺の隣にあるこの地で、眼形成を共に学び、共に成長する機会となると確信しております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。