ご挨拶
学術集会長 奥 裕美
(聖路加国際大学大学院 看護学研究科 教授)
この度、2026年8月21日(金)、22日(土)の両日にわたり、第30回日本看護管理学会学術集会を東京国際フォーラムにて開催できますことを、心より光栄に存じます。第30回の節目を迎えるにあたり、歴代の大会長、会員の皆様、そして本学会に携わってこられた全ての先人たちに深く敬意を表します。30年の歴史と叡智は、今日の私たちの基盤であり、未来を拓く指針となります。
今大会のテーマは「リーダーシップの話をしよう-30年の叡智を未来に」です。これまで蓄積された貴重な知識や経験を未来へと確実につなぎ、共に次の時代の看護管理学の羅針盤を照らしたいという思いを込めました。単に誰かの話を聞くだけでなく、お互いに話し合い、新たな叡智を育む場になることを目指します。
私たち看護職は、様々な困難を抱える人々に日々向き合っています。そして、本学会に集う多くの看護管理者やリーダーは、ケアが必要とされる人々に確実に届くよう、その環境を整え、システムを構築する役割を担っています。しかし、現代社会は、気候変動や予期せぬパンデミック、戦争や紛争など予断を許さない状況が続き、生きづらさを感じる場面が増え、ひとりの力では解決が難しいことが少なくありません。
こうした時代にあってこそ、私たちには、一人ではなく、共に考え、支え合う姿勢が求められます。キリスト教の祈りの一つに、次のような言葉があります――
「主よ、変えられないものを受け入れる心の平穏と、変えられるものを変える勇気と、その両者を見分ける智慧を与えてください」
この祈りが示すように、複雑な状況から本当に大切なものを見極め、進むべき道を決める勇気を持つことこそ、困難を打開し、未来を切り開く鍵となると考えます。この困難な時代を乗り越えるためには、私たち看護管理学を担う者の集合的な力が不可欠であり、本学術集会がその智慧と勇気を育む場となることを心より願っています。
「話をしよう」というテーマに相応しく、お互いに話し合い、明日からの実践に活かせるような、実りある「語りの場」を目指し、実行委員・事務局一同、全力で準備を進めています。真夏の東京で、知的好奇心を満たし、新たなエネルギーを得て、明日からの実践につながる手がかりを見つけてください。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
「有楽町で逢いましょう」。