第36回日本老年泌尿器科学会

ご挨拶

会長 河内明宏
第36回日本老年泌尿器科学会
会長 河内 明宏
(地方独立行政法人市立大津市民病院 理事長)

 この度2023年5月26日(金)~27日(土)の2日間、びわ湖大津プリンスホテルにおいて第36回日本老年泌尿器科学会を開催させていただくことになりました。滋賀県では初めての開催で、大変光栄なことであり、会員の皆様に心よりお礼を申し上げます。

 今回のテーマは「三方よしの老年ケア、患者よし、医療者よし、世間よし」としました。滋賀県は近江商人で有名で、その心得として「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」があります。この「三方よし」の精神は現代においても、相手よし、自分よし、みんなよしという言葉に置き換えられる大切な考え方として、多くの領域での心得、理念として使われています。医療においても患者、医療者、世間の三方を常に頭に置き、それぞれにメリットがある方向に進んでいく必要があると考えます。老年ケアの充実および進歩が三方よしとなるように願って、テーマといたしました。

 文化講演としてたねやCEO山本昌仁様より「たねやグループが大切にする想い」と題して、自然に学ぶお菓子作り、自然を生かした店づくり、三方よしの近江商人の哲学に通じる運営などについてご講演いただきます。たねやグループにはバームクーヘンで有名なクラブハリエがあり、そのフラッグシップ店ラ・コリーナ近江八幡は滋賀で最も観光客が多い場所として有名です。講演でご興味をお持ちになられたら、オプション観光プランとしても設定していますので、是非訪れてみてください。

 特別講演としては滋賀医科大学理事・副学長遠山育夫先生に「アルツハイマー病研究の最前線」と題して、最近よく報道されている新しい治療薬を含めた最新の研究をご紹介いただきます。機能性尿失禁など老年泌尿器科学に関連する領域の今後の展開を予想する意味でも興味のある講演となると思います。

 特別企画として滋賀県健康医療福祉部角野文彦先生より「滋賀県排尿支援プロジェクト」についてご講演いただきます。本プロジェクトは県民のだれもが気持ちよく排泄できることを目標として、県民の中から「排尿サポーター」、「排尿支援員」、「排尿支援リーダー」を育成し、下部尿路症状を持つ県民に対する支援体制を整え、また下部尿路機能障害に関わる医療機関や訪問看護ステーションのリストを作成し、公開するなど、県下に「排尿支援ネットワーク」を構築し県民のQOLの維持向上を目指す取り組みです。県が中心になり、県民全体を対象に行っているこの類を見ない事業の発案者でリーダーである角野先生よりご紹介いただきますので、他県の皆様の参考になれば幸いです。

 その他の企画として学術的なものはプログラムを参考にしていただければと思いますが、メディカルスタッフ向けの特別セミナーとして京都の排泄用具情報館むつき庵所長の浜田きよ子様に「排泄ケアが暮らしを変えるーおむつを中心に」と題して、正しいおむつの選び方、使用方法などを実践を交えてご講義いただきます。また、懇親会ではクラブハリエのバームクーヘンや日本酒など、滋賀の名産品を味わっていただきたいと思います。

 この時期の滋賀は新緑の季節で、琵琶湖を中心とした景色も素晴らしく、気候も外歩きや観光に適しています。滋賀県では「シガリズム」と名付けた観光キャンペーンが行われており、歴史、風景、食を中心に滋賀県の見どころが紹介されています。学会で勉強した空き時間にはシガリズムを満喫していただけたらと思います。多くの皆様にご参加いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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