第51回日本微小循環学会を2026年6月5日(金)、6日(土)の2日間、札幌市で開催させていただくことになりました北大眼科の石田 晋と申します。このような機会を与えていただき、大変光栄に思いますとともに、日本微小循環学会の理事をはじめ学会員の皆様に心から御礼申し上げます。
今回の学会のテーマは、「QOL/QOVを支える微小循環」です。QOLはともかくQOVとは耳慣れない言葉かもしれませんが、Quality of Vision(視覚の質)の略です。ヒトは外界の情報の8割以上を視覚から得ていると言われています。光の受容を司る網膜は酸素需要の高い中枢神経組織であり、それを維持する脈絡膜はいわば微小循環の塊とも言える構造をしています。眼も含めて全身の微小循環は大循環から派生し、全身の臓器の機能を担っています。まさにQOLもQOVも微小循環に支えられているわけです。
本学会では、特別講演として慶應義塾大学解剖学の久保田 義顕 教授にご登壇いただきます。またシンポジウムでは、日本微小循環学会理事長であり東海大学消化器内科の鈴木 秀和 教授に消化器の微小循環を、大阪公立大学脳神経内科 伊藤 義彰 教授には脳循環を、旭川医科大学眼科 長岡 泰司 教授には眼循環をご担当いただき、さまざまな臓器の微小循環の基礎と臨床について知識を共有し、理解を深める場としたいと思います。さらに北海道大学循環器内科 安斉 俊久 教授には全身に散りばめられた微小循環の総本山となる大循環についてシンポジウムを企画いただきます。このように、QOL/QOVを支える微小循環を多面的に捉えることで、領域横断的に多くの参加者にご満足いただけるよう願っております。
6月の北海道は緑豊かな爽やかな季節です。北海道ならではの味覚と観光を楽しんでいただければ幸いです。ご参加いただく皆様にとりまして有意義な学会となりますよう準備を進めて参りますので、皆様の演題登録とご参加を心よりお待ち申し上げます。