第69回日本形成外科学会総会・学術集会 The 69th Annual Meeting of Japan Society of Plastic and Reconstructive Surgery

会長挨拶

第69回 日本形成外科学会総会・学術集会の開催にあたって
徳島大学医学部形成外科学
橋本 一郎

2026年4月22〜24日に開催される第69回日本形成外科学会総会・学術集会の会長を務めさせていただきます、徳島大学医学部形成外科学分野の橋本一郎です。

本学会は、長年にわたり形成外科学の発展に貢献し、各分野の専門家が集い、知識と技術を共有する場として重要な役割を果たしてきました。今回、四国・徳島の地で本学会を開催できることを、大変光栄に思います。四国での開催は2011年以来15年ぶりとなり、これを機に、地域の形成外科の活性化と全国の先生方との連携強化に貢献したいと考えております。

本学会のテーマは「新しい渦がうまれる場所 とくしまへ」。

徳島といえば、日本三大潮流のひとつである「鳴門の渦潮」が有名です。渦潮は、異なる潮流がぶつかり合い、エネルギーが融合することで生まれます。同じように、本学会が多様な視点・技術・知識が交わり、新たなイノベーションを生み出す場となることを願い、このテーマを掲げました。ここ徳島から、新たな潮流をつくり、形成外科学の未来へとつなげていきたいと思います。

学術集会のプログラムでは、若い世代の形成外科医がワクワクし、未来に希望を持てるような内容を充実させたいと考えております。形成外科の分野では、新しい技術やデバイス、治療理論が次々と登場しており、例えば、マイクロサージャリーにおけるリンパ管吻合技術の進化や、顕微鏡手術から3Dヘッドアップサージャリーへの移行など、技術革新が進んでいます。さらに、私自身が経験した海外留学を通じた学びを活かし、国際セッションを充実させ、若い世代が世界へと羽ばたくきっかけを提供できるよう努めます。

加えて、美容外科、小児形成外科、外傷外科、再建外科、頭蓋顎顔面外科、創傷外科といった各分野において、新たに登場する手術手技や理論を全国の先生方と共に議論し、形成外科学の発展につなげていきたいと考えております。さらに、在宅医療や遠隔医療における形成外科の役割、ガイドラインの活用、tissue engineering(組織工学)や再生医療、3Dバイオプリンティング技術の臨床応用など、未来を見据えた議論の場も設けたいと思います。

2026年の総会・学術集会が、形成外科の発展だけでなく、地域医療の活性化や若い世代の育成にも寄与する場となることを願っております。是非とも多くの会員のみなさまにご参加いただき、新しい潮流を生み出す「渦」の一員となっていただくようお願い申し上げます。

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