第28回日本臨床脳神経外科学会 The 28th Annual Congress of Japan Association Neurosurgical Clinics

会長挨拶

第28回日本臨床脳神経外科学会
会長 内田 泰史
(医療法人治久会 もみのき病院 理事長)
大会長  内田 泰史

 この度、第28回日本臨床脳神経外科学会を高知県立県民文化ホール、および高知会館にて開催させていただくこととなりました。会期は2025年7月19日(土)・20日(日)です。本学会のテーマは「多職種協働によるイノベーション~未来への航海~」としました。

 高知といえば坂本龍馬を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ジョン万次郎も忘れてはならない存在です。彼は幕末から明治にかけて日本のイノベーションに多大な貢献をし、坂本龍馬や福沢諭吉、板垣退助などの思想や行動に影響を与えた人物であります。また、「自由は土佐の山間より出ず」という植木枝盛の言葉に象徴されるように、高知は自由民権運動発祥の地でもあります。2025年7月に高知におきまして、医師・メディカルスタッフを巻き込んで日本臨床脳神経外科学会にイノベーションが巻き起こることを期待しております。

 本学会では、脳卒中と認知症の予防と治療を中心に脳神経外科疾患について議論を深め、相互の知識交流を図っていきたいと考えています。これらの疾患は、高齢化社会においてますますその影響力を強めており、患者本人のみならず、そのご家族や社会にまで多大な負担を強いることとなっています。日本人の脳卒中死因ランキングは下がりましたが、入院受療率はがんや心臓病を大きく上回ります。介護や支援が必要となった原因にもなり、更には認知症の原因にもなり得る疾患です。それに対し、私たちがなすべきことは何か、後遺症が残った方やそのご家族に対し何ができるのか、そういった領域まで踏み込み臨床に携わることが今後の課題の1つとなってくると考えます。ここで大切なのは、「予防に勝る治療なし」の言葉通りです。脳卒中や認知症その他の生活習慣病などに罹る人には、それだけの理由が必ずあるはずです。食習慣や運動習慣・睡眠習慣・肥満・ストレスなどが大きく絡んでいます。幼い頃からの良い生活習慣を継続・発展させると共に、疾患を克服するためには、知識を得るだけでなく実際の生活に活かすことが大切となります。疾患に罹っても、立ち止まりその原因を内省し価値観や生活習慣を変えていく、専門的な医療と心身の癒しを共存させることが大切だと考えます。

 本学会では、国民の明るい未来を創造するために、そして昨今急増する認知症の予防から治療・介護・地域社会との関わりに至る多彩なニーズに応えるためにも、闊達な意見交換・議論を交わしていただきたいと思います。本学会が参加者の皆さまにとって新たな知識と洞察を得る場となり、日々の臨床現場での実践に役立つことを心から願っております。
 また、懇親会にも是非ともご参加いただき、さらなる議論と懇親を図ることを期待しています。高知城は学会場から徒歩圏内にあり、坂本龍馬の桂浜、連続テレビ小説に出ていた牧野植物園もそんなに遠くはありません。ひろめ市場やエネルギッシュでパワフルな「よさこい祭り」もご堪能ください。

 スタッフ一同、精一杯準備を進めております。多くの皆さまのご来高を心よりお待ちしております。

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