第32回日本医療薬学会年会

会長挨拶

第32回日本医療薬学会年会
年会長 山本 康次郎

    (群馬大学医学部附属病院 薬剤部長)

 この度、第32回日本医療薬学会年会を令和4年9月23日(金・祝)から25日(日)にかけて、Gメッセ群馬(群馬県高崎市)を主会場とした現地開催とWEB開催を併用するハイブリッド形式で開催する運びとなりました。
 Society4.0として位置付けられる現在の情報社会では、知識や情報の共有の不足、分野横断的な連携の不十分さなどが露呈しつつあります。これらの問題点を解消し、新しい価値を生み出すとともに、地域の課題や困難を克服する社会として、Society5.0が提言されております。このSociety5.0においては、医療薬学に対してもさまざまな変化や改革が求められており、先進技術の活用により、これまでとは大きく異なる次世代の医療が創造されることが期待されます。また、現在、さまざまな時間的、技術的制約のなかでファーマシスト・サイエンティストとしての活動を行っていますが、それらの限界が取り払われるSociety5.0において、我々が行うべきことや、社会における我々の役割を示すことも求められています。そこで、本年会が、このSociety5.0の医療薬学を作り上げていくためのキーポイントになればと考え、本年会のメインテーマを「知の融合で織りなすSociety5.0の医療薬学」としました。
 本年会では、情報技術を活用した先駆的な医療の開発に尽力されている先生方に特別講演、教育講演をお願いしました。また、医療のDX(digitaltransformation)における薬剤師の役割を考える機会として、特別シンポジウムを企画致しました。他シンポジウムではIoT(internetofthings)やDX、RWD(realworlddata)などに関するセッションをはじめ、幅広い内容を企画しておりますので、ぜひご聴講ください。
 Society5.0は未来の社会像ではありますが、その基となる技術は着実に現実のものになっています。医療薬学の分野においても、先進技術を用いた様々な試みが行われています。本年会では、これまで各々が作り上げてきた医療薬学に関する知見をしっかりと組み上げていき、Society5.0にふさわしい医療薬学という学問を織りなしていただきたいと考えております。

 本年会が、多くの皆様の知を融合し、新たな医療薬学を織りなすための契機になることを祈念しております。