第40回日本眼循環学会 The 40th Annual Meeting of Japanese Society for Ocular Circulation

会長挨拶

第40回日本眼循環学会
会長 石龍 鉄樹
(福島県立医科大学眼科学講座 教授)
会長近影

 この度、2024年7月19日、20日の両日、記念すべき第40回眼循環学会を開催させていただきます。福島県で眼循環学会が開催されるのは1993年に眼微小循環学会が開催されて以来になります。眼微小循環学会と日本ICG研究会は2004年に併合され現在に至っております。併合当時、学会員数は当時の百余名でしたが、現在は778名まで増えています。黎明期は、いずれの会も動物実験や画像撮影手技など基本的な研究が中心でしたが、現在ではVEGF療法やOCTAを用いた臨床研究が多数発表され、基礎から日常臨床に関わる広いテーマを議論する会になっています。

 会の発足から40年になりますが、加齢黄斑変性をはじめ糖尿病網膜症、網膜血管病変ではその発症病態には不明な点が多く残されています。一方で、OCTAやレーザースペックルフローグラフィーの登場により、緑内障や炎症性疾患にわたる多くの疾患で眼循環との関連が議論されています。生物学的製剤は、各疾患の予後を飛躍的に改善させましたが、適応、投与レジメンおよび社会経済学的側面に問題が残されています。

 今回の学会ではこれらの課題克服の一助となること目的に学会を企画しました。招待講演では、加齢黄斑変性の病理に関して長年にわたり多数の報告をされているChristine A. Curcio教授にご講演いただきます。シンポジウムではパキコロイド疾患、薬物療法、緑内障・炎症性疾患を取り上げ、議論を深めていただく予定です。診断器機の進歩により、コメディカルの方々も眼循環の診療に必須の存在となっています。今回の学会においても、臨床に直結する話題を中心としたコメディカルセミナーを設けますので、是非、ご参加ください。

 2011年の震災と原発事故に見舞われましたが、現在は復興が進んでおり、イノベーションコーストなど将来に向けての計画も始まっています。福島県は、全国でも2番目に大きな猪苗代湖と磐梯山が控えており、太平洋につづく自然が豊富な県です。学会を迎える7月には特産の桃をはじめ多くのフルーツの最盛期を迎えます。また、最近では日本酒品評会で10年連続の金賞最多受賞をうけるなど食の豊かな県でもあります。学会の折に是非、福島県を訪ねていただき、目と舌で福島をご堪能いただければ幸いです。

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