角膜カンファランス2023

会長挨拶

角膜カンファランス2023
第47回日本角膜学会総会、第39回日本角膜移植学会
会長:山田 昌和( 杏林大学医学部眼科学教室 教授)
会長 山田 昌和

 このたび角膜カンファランス2023(第47回日本角膜学会総会、第39回日本角膜移植学会)を担当させていただく事になりました。貴重な機会を与えてくださいました会員の先生がた、関係各位に感謝申し上げます。学会の期日は2023年2月9日(木)〜11日(土・祝日)、場所は横浜みなとみらいのパシフィコ横浜です。

 角膜カンファランスは最初にコロナ禍の影響を受けた学会での1つです。3回前の東京での総会は前日に現地開催の中止が決まり、後日オンデマンドで開催されました。2回前の愛媛での総会もオンデマンド開催であり、前回の金沢での総会はハイブリッド開催でした。ハイブリッドとは言え、まん延防止措置期間中でもあり、現地の参加者は多くありませんでした。学会自体の演題数も3年前には取り下げが多くみられましたし、前回も以前の水準には戻っていないようです。

 コロナ禍によって社会は大きく変容しました。外出や旅行の機会が減少し、テレワークやオンライン授業が当たり前になりました。大人数での会議、会食も制限され、学会もオンデマンド開催が普通になりました。オンデマンドは遠隔地からでも距離感なしに参加できますし、日頃お忙しい先生がたでも自分の好きな時に視聴できるとメリットもあります。しかし、学会の醍醐味はやはりface to faceのディスカッションにあります。オフィシャルな質疑応答はもちろんですが、隣に座った先輩や友人から発表の意義や疑問点を聞くことが、医師や研究者として育つきっかけになると私は信じています。

 今学会のスローガンはBack to the Basics to Meet New Challengesとしました。角膜カンファランスは若い医師もベテランの医師も関係なく、オープンに討論できる場でありました。また発表の後にオーソリティの先生から質問を受けたり、(たまに)誉められたりすると研究を続けようという動機、励みになりました。今回はもう一度こうした角膜カンファの原点、角膜専門医、研究者の原点に帰って、直接の意見交換の場にしたいという願いが込められています。こうした意図から、今学会は現地での発表、参加を基本としました。不自由だ、融通がきかないという声も聞こえてきそうですが、敢えて言えば学会はもともと不自由なものです。会場に行って決められた時間に合わせなければ、講演を聴いてその場の雰囲気を感じることができません。音声付きスライドを作っても壁打ちテニスみたいで張り合いがないと感じている先生がたも少なくないのではないでしょうか。現地参加が難しい先生がたにはオンデマンド配信も用意しましたが、どうか趣旨をご理解のうえ、学会場に集い、会い、話すことをお奨めします。

 今学会ではいくつかの試みを考えています。1つは一般口演の数を増やすことです。リアルタイムのディスカッションを重視したいのとポスター会場での密集をできるだけ回避したいという思いからです。このため基本的に会場は2会場とします。また、特別講演をなくし、シンポジウム以外に教育セミナーを企画しました。教育セミナーでは角膜に興味がある先生だけでなく、ご開業の先生や若い先生が知っておきたいテーマを取り上げていますので、ぜひご参加ください。

 角膜カンファランスの名物企画としてアスレチック大会と会員全員の懇親会が挙げられますが、今回はアスレチック大会を行いません。久しぶりの学会発表、一般口演を多く取り上げ、貴重なディスカッションの場を設けるためですのでご容赦ください。ただし、事情が許せば懇親会は開催したいと思っています。横浜らしいディナークルーズを企画しており、これもディスカッションの続きの場としてご活用ください。

 本学会が開催される頃には、皆様が安心して現地参加できる状況になっていることを心から願っています。角膜カンファランスの原点である活発な討論、交流を通じて、新しい研究のアイデア、臨床のアイデアが育まれるようなら望外の喜びと言うほかありません。学会開催の地は横浜みなとみらいであり、ちょっとした旅行気分もグルメ探求も楽しむことができそうです。角膜カンファランス2023を充実したものにしたいと考えておりますのでどうか宜しくお願い申し上げます。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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