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第24回日本医療マネジメント学会学術総会
第24回日本医療マネジメント学会学術総会

会長挨拶

大西 祥男
持続可能な地域医療を目指して
~機能分化・連携と人材マネジメント~
第24回日本医療マネジメント学会学術総会
会長 大西 祥男
(地方独立行政法人加古川市民病院機構理事長 兼 加古川中央市民病院院長)

 この度、第24回日本医療マネジメント学会学術総会を2022年7月8日(金)・9日(土)の2日間にわたり、神戸ポートピアホテルならびに神戸国際会議場において開催させていただくことになりました。兵庫県では初めての開催となり、また2年ぶりに現地開催(一部後日オンデマンド配信)が出来ますこと大変嬉しく思います。

 新型コロナウイルスが地球規模で猛威を振るい、医療現場は勿論のこと人々の日常を大きく変えました。ワクチン接種や治療薬により、漸くトンネルの出口が見えてきたかと思うと新しい株が出現し、終息までにはまだ暫く時間がかかりそうです。

 我が国の人口推計からは、2025年には国民の5人に1人が後期高齢者となる超高齢社会が到来し、その後2040年に向けて高齢者人口の増加は緩やかになり現役世代の急減という局面に移行していきます。このような人口構造の変化を踏まえ、国は「どこにいても必要な医療を最適な形で」「医療従事者の働き方改革で、より質が高く安全で効率的な医療へ」をめざし地域医療構想の実現、医師・医療従事者の働き方改革、実効性のある医師偏在対策の三位一体改革を推進しています。また、地域包括ケアシステムも2040年を展望した地域共生社会の実現へと向かっています。

 このような状況の中、本学術総会のメインテーマを「持続可能な地域医療を目指して~機能分化・連携と人材マネジメント~」といたしました。10数年前には医師不足から地域医療崩壊が叫ばれ、今はコロナにより各地で地域医療が危ぶまれ、将来は現役世代の急減に伴い医療・介護人材の不足も懸念されます。医療・介護が安定的に継続性をもって存続すること、つまりその持続可能性がキーワードと考えています。それぞれの地域の実情にあった医療提供体制の構築が求められており、地域医療を維持していく上で大切な体制づくりと人づくりという点からサブテーマを掲げました。

 今回の学術総会では、招待講演として4名の講師をお招きしています。医療現場から離れた視点で病院運営にとって示唆に富むお話が聞けるものと思います。また、特別講演4題、教育講演5題、医療安全やクリティカルパスに関する教育セミナー2題のいずれも興味深い内容です。メインシンポジウムでは、座長を含め5名の先生方に様々な方面から持続可能な地域医療に向けての取り組みや提案などを議論いただき、会長特別企画では、最近の統合再編、連携推進法人の4ケースを紹介いただきます。その他のシンポジウムとしては、働き方改革とタスクシフト/シェア、医療のデジタル化とデータヘルス改革、AIやロボット技術、エンド・オブ・ライフケアの質、地域包括ケア、コロナ禍での病院運営や新興感染症対策など将来に向けて質の高い医療・介護、地域医療の望ましい姿を様々な観点から議論いただきたいと考えております。

 なお、新型コロナウイルス感染症が未だ終息に至らないなか、市民公開講座は招待講演4に切り替えさせていただきました。「人生100年希望を持って生きる」と題して建築家の安藤忠雄さんにご講演いただきます。

 現在もコロナ対策で日々奮闘されている医療関係者の皆様に敬意と感謝の気持ちを表したいと思います。そして、ご参加いただいた皆様にとって本学術総会が有意義な学会になりますことを祈念するとともに、山と海に囲まれた異国情緒豊かな神戸の街を楽しんでいただければ幸いです。

 多くの皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。

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