第29回日本ヘリコバクター学会学術集会 The 29th Annual Meeting of The Japanese Society for Helicobacter Research

公募セッションの採択結果

第29回日本ヘリコバクター学会学術集会開催にあたって

第29回日本ヘリコバクター学会学術集会
会長 大﨑 敬子
(杏林大学医学部感染症学教室教授)

第29回日本ヘリコバクター学会学術集会を担当させていただくにあたり、本学会会員および関係者の皆様にご挨拶申し上げます。

本学会は1995年に第1回日本消化器ヘリコバクター・ピロリ研究会として開催され、1998年の第4回の集会時に現在の名称に改められました。その後、ヘリコバクター・ピロリに代表されるHelicobacter属細菌の最新の研究成果を発表する場として会員数を増やしながら発展してきました。Helicobacter属細菌の病原性、診断、治療、予防とそれらに関連するテーマの主題演題が毎年企画されています。

近年、ヘリコバクター・ピロリの除菌治療が普及するとともに除菌後の問題点やピロリ菌陰性胃発癌等の話題も数多く取り上げられるようになりました。また、研究手法におきましても、次世代ゲノムシーケンス技術の進歩によって、細菌全ゲノム比較解析やメチローム解析など、膨大なデータを使って研究するデータサイエンスが台頭しています。さらにピロリ菌以外のHelicobacter属細菌であるNHPHの研究成果や、胃のみならず消化管のMicrobiotaの研究成果の発表にも会員の注目が集まっている状況があります。そのような現状をふまえて、今回の学術集会のテーマは“Helicobacter属研究の多様性と未来“というテーマを掲げさせていただきました。ポスターおよびチラシの中にヘリコバクター・スイスのイラストが入っていることはお気づきでしょうか?

第29回学術集会では国内外の招聘研究者による特別講演の他、シンポジウム、ワークショップ・一般演題・各種セミナーが企画されています。基礎研究、臨床研究という枠を外して相互がディスカッションできる場となるような企画を考えています。

会場は東京都千代田区一ツ橋にある日本教育会館にて、感染症対策を十分に行いつつ、久しぶりの現地開催を目指しております。学術集会において、多くの研究者、医師、学生の皆様が現地に集い、直接対話して、久しぶりの再会や新しい出会いを楽しんでいただければ幸いです。また、この数年の間に培われたオンラインの技術の利点を活かして、オンラインの企画も一部用意しております。参加者にとって実り多き学会となるよう関係者一同鋭意準備を進めています。会員並びに関係各位の多数のご参加をお待ちしております。