第9回日本眼形成再建外科学会学術集会

会長挨拶

第9回日本眼形成再建外科学会学術集会
会長:三村 真士
(オキュロフェイシャルクリニック大阪/兵庫医科大学眼科学教室)

第9回日本眼形成再建外科学会学術集会長に任命いただきました、三村真士と申します。このような機会を与えていただきました、本学会の役員ならびに関係各位の皆様方には厚く御礼申し上げます。

本学会は、国際感覚を養い、世界中の眼形成外科医との交流が叶うようにと、世界の眼形成再建外科学会に準拠した形で、眼科専門学会として2013年に設立されました。海外における眼形成再建外科の立ち位置は、眼科学subspecialtyの主要部門として50年以上前から認知されていますが、本邦では唯一専門学会がなかったこともあり、特異的に発展したという歴史があります。従って本学会が設立される前は、勉強する機会も場所も国内には他の専門部会に比較して少なかったため、眼形成再建外科医を志す医師は、自ら道を切り開くか、国内の狭き門を叩いて研修場所を模索するしかありませんでした。

しかし本邦でも、ここ約20年で眼形成再建外科への注目度が年々上昇し、特に本学会が立ち上がってからは眼形成外科医の発信力も高まってきています。そこで、第9回学術大会では設立時の概念に立ち返り、眼形成再建外科の国際感覚と教育をテーマとして挙げました。常に日本の眼形成再建外科の発展を願ってくれている、米国カリフォルニア州立大学サンディエゴ校のKikkawa教授とKorn教授を特別講演に招聘し、約30年に渡って世界各国の眼形成再建外科医を育て続けるKikkawa教授には教育について、現在アメリカ眼形成再建外科学会の国際部長を務められているKorn教授には、眼形成再建外科における国際情勢について講演をお願いしました。そしてシンポジウム1では、日米の著名な眼形成再建外科施設で臨床研修を受けた眼形成外科医の体験談を、シンポジウム2では、世界の眼形成再建外科においてはスタンダードである、機能面と美容面の両立について、と、未来志向のディスカッションができるプログラムを予定しました。来年度で設立10年となりますが、次の10年でさらに本学会が発展する狼煙となればと考えています。

新型コロナウイルスの影響がまだまだ続くなか、ほとんどの学会開催形式がオンラインとなって久しいですが、本学会も基本的にはオンライン開催としました。ただし、現場で熱いディスカッションをしたい!、久しぶりに京阪神エリアに来て美味しいものを食べたい!という先生方のために、新たな試みとしてパブリックビューイング会場を設営したいと考えています。社会状況が許せばという条件付きですが、学術の面でも、旅のきっかけとしても、皆様に満足いただけるように工夫したいと考えておりますので、これからの日本の眼形成再建外科の発展を夢見る多くの先生方にご参加いただけますよう、心からお待ち致しております。