総会事務局
東京大学医科学研究所
臨床精密研究基盤社会連携研究部門内
〒108-0071 東京都港区白金台4丁目6-1
運営事務局
株式会社JTBコミュニケーションデザイン
事業共創部 コンベンション第二事業局内
〒541-0056
大阪市中央区久太郎町2-1-25 JTBビル7階
TEL: 06-4964-8869 FAX: 06-4964-8804
E-mail: jstct2022@jtbcom.co.jp

ご挨拶

第44回日本造血・免疫細胞療法学会総会(JSTCT2022)の開催にあたって

田中 淳司
第44回日本造血・免疫細胞療法学会 総会
会長 高橋 聡
東京大学医科学研究所 臨床精密研究基盤社会連携研究部門 特任教授

パンデミックやウクライナ戦争などで世界の様相は一変していますが、桜前線は例年通り北上しているようです。東京は既に多くは葉桜になりつつあります中、5月に時期を移してのJSTCT2022の開催まで1か月となり、準備を進めております。

大会スローガンである”Transplant, Cell Therapy, and Beyond”にありますように、今回は学会名に「免疫細胞療法」が加わった初年度であり、初めて細胞療法を学ぶ方から専門家まで幅広く参加を頂ける細胞療法セッションを厚く複数ご用意しています。シンポジウム1「免疫細胞療法の歩みと展望」では、免疫細胞療法の最新状況からiPS細胞の応用までを、シンポジウム3「CAR-T細胞療法:現状と将来への期待」では、より臨床現場で役立つ情報を紹介して頂き、看護シンポジウムにおいても「CAR-T細胞治療」をテーマとしてわかりやすく解説してもらいます。また、例年行われている日韓合同セッションでは「細胞・遺伝子治療の新たな展開」を主題に最新の研究内容を基に議論を進める予定です。教育講演でも、大阪大の保仙先生、九州大の加藤先生、東京医科歯科大の森尾先生といったエキスパートからそれぞれの観点での細胞療法について解説して頂きます。一方、一般演題でもCAR-T細胞療法関連の口演、ポスター共に3セッションずつを要するほど演題が集まり、この分野の臨床領域における萌芽が順調に成長していることを感じて頂けると思います。

また、今回、エビデンスが得られていないが実臨床の場で我々が向き合っている様々な疑問について議論する場として、ラウンドテーブルディスカッションを2企画(PTCyハプロ移植、CBT)とPros&Consディベートセッションを3企画(CBT、抗菌薬予防投与、MM自家移植)の準備を進めています。ざっくばらんな議論の中で移植臨床の場における疑問・悩みを解決するヒントが得られると思います。加えて、初日のワーキンググループ報告会に続いて、ワークショップ1,2として、「臨床試験計画:発想と提案」「臨床統計・データサイエンス」の企画があり、臨床研究にかかわる方々には大変魅力的な内容が準備されています。さらには、移植を行った小児科患者の内科への移行や、看護現場で遭遇する「患者の怒り」に対してどのように向き合うべきか、など臨床上重要な問題についてのワークショップが企画されており、深く掘り下げた議論が期待されます。最近、その重要性が再認識されている理学療法、および確実に毎年充実度を増しているHCTC関連のセッションに付随して、本学会への参加を通してそれぞれの分野でのネットワーク形成の契機にしてもらえるような場も用意しています。

さらには、近年、病態解明が進むとともに新規治療薬が登場した「GVHD」、注目を集めている「クローン造血」、最大の課題である「再発」、そしてわが国での進歩が著しい「臍帯血移植」、これらにフォーカスしたシンポジウムや国際細胞遺伝子治療学会(ISCT)との合同セッションも予定されています。一部、前述した教育講演は全18演題を予定しており、非常に興味深いテーマを専門の先生方にご講演頂きますが、全てオンデマンド配信とさせて頂くため、学会終了後にゆっくりお聞き頂けます。

本学会に深く関与された浅野茂隆先生は2020年に逝去されました。生涯を通じて取りくまれた、G-CSFの発見から臨床応用、遺伝子治療、そして造血幹細胞移植・細胞療法についてゆかりの深い演者を選定させて頂きましたが、これまでの道程から最新の知見までの講演を通して、医療の領域に留まらなかった浅野先生の見識と将来構想の一端を回顧しつつ、将来展望をも含めた内容のメモリアル講演シリーズを2日目の午後に予定しております。

他にも本日の紙面ではご紹介しきれない内容を準備しておりますが、順次、HP内のプログラムを更新していきますので、ご確認ください。

新型コロナウイルス蔓延のため、開催形態については大変悩みましたが、現地参加を含めてのハイブリット型とさせて頂きました。3回のワクチン接種がお済みで10日前から当日まで体調に問題がない方につきましては、現地でのご参加を可能とさせて頂きます。本学会参加の方々は基本的には感染予防についてはプロであることを踏まえたうえで、発表時も含めて会場でのマスク着用はもちろんのこと、ご自身および学会参加者の身を守るために十分ご注意して頂くよう、心からお願い申し上げます。ハイブリッド開催として、シンポジウムなどの特別企画は現地での参加に加えて、ライブ配信、オンデマンド配信からの視聴が可能ですので見逃した企画には後からでも参加可能です。また、一般口演では発表者、座長の方のWeb登壇も可能となるように準備を進めています。現地参加に加えてライブ配信もされるため、Webからの聴衆による質疑についても座長を通して発表者に応えて頂きます。ポスターセッションでご発表される方々にはご負担をお掛け致しますが、現地での掲示用のポスターとWeb(会期中5/12〜5/14、オンデマンド配信)用の発表スライドの作成をお願いすることになります。ポスターセッションの座長は会場に来て頂ける方に限らせて頂いており、現地での発表についての議論の主導およびWeb会場のご担当セッションの演題にアクセスいただき、質疑応答コメント欄にご投稿をお願いする予定です。

ハイブリッド形式での学会開催はノウハウが集まり始めてきていますが、本学会で初めて行う試みもあり、必ずしもスムーズにいかない場合もあるかもしれません。一方でハイブリッド学会では多くの方々に広く発表内容を紹介できる点は大きなアドバンテージと感じておりますので、皆さまで実りある学会を作り上げて頂けますよう、心からお願い申し上げます。願わくば多くの方々と薫風が心地よい横浜の地でお会いして、議論を深めることができますように心から願っております。

2022年4月
ページトップへ戻る