第12回日本涙道・涙液学会総会

ご挨拶

第12回日本涙道・涙液学会総会
会長 廣瀬 浩士
(独立行政法人 国立病院機構 名古屋医療センター)
廣瀬 浩士

 この度、第12回涙道涙液学会総会を主催させて頂きます名古屋医療センターの廣瀬と申します。涙道涙液学会(以下、涙涙学会)は、2012年、それまでスリーサムとして開催されてきた眼炎症学会、眼感染症学会、コンタクトレンズ学会の合同学会に新たに組み入れられることによりフォーサムとして発足しました。第1回総会は学会会長に井上 康先生をお迎え致し、新たな一歩を踏み出しました。先生は多大なご尽力を費やされ、以後の発展に繋がる礎を作られましたが、本当に感謝の念に堪えません。以後、順調に回を重ねて参りましたが、2021年頃より、フォーサムとしての学会開催に際し、より自由度を求める意見も噴出し、それぞれの学会を単独で行う方針が打ち出されました。幾度にも及ぶ会議の末、2024年度はとりあえず単独で行ってみようという結論に至り、今回の開催になった次第です。

 眼炎症学会、眼感染症学会、コンタクトレンズ学会はそれぞれの歴史も長く、各学会が共同で行うセッションも多く、充実したものでしたが、涙涙学会が加わってからも、同様に関連する分野も多く、実臨床に役立つ知識がはば広く得られるという点で高い評価を得ておりました。今回、単独で行うことにより、その良さが失われてしまうことは大変残念に思いますが、フットワークが軽くなることにより、きめ細やかな学会運営の遂行、涙道涙液診療の知識習得に没頭できる、専門家が一同に会すことによる内容の濃い情報交換の場の提供など単独開催のメリットもあります。

 開催日は2024年7月27日、28日、開催地を名古屋と致しましたが、利便性の良い名古屋駅近くのウインクあいちで開催することにより、多くの会員の先生方がより参加しやすい環境を提供できるものと思っています。

 今回のテーマは、「涙道涙液診療と医療安全」に致しました。私は、眼科入局以来、名古屋大学附属病院、名古屋医療センターとほぼ教育病院を歴任して参りましたが、良い医療を提供するためには、きめ細かい教育が欠かせません。但し、教育に伴う功罪もあります。どこまでやらせるか、合併症発症時の対応などきりがありません。その点を踏まえ、特別講演には、医師で弁護士でもある、浜松医科大学教授の大磯義一郎先生に「医療安全」についてご講演を賜ることに致しました。大磯先生は、様々な分野で医療安全に関わるご講演、ご執筆を数多くこなされ、この分野においては日本の第一人者と思われます。

 シンポジウムは、私がこれまで取り組んできた「涙小管閉塞症の手術療法」、「涙道涙液診療の教育」を考えております。

 2025年度からは、幸いにも再びフォーサムとして開催される運びとなりましたが、涙道涙液学会発足以来、初の単独開催となる今学会を皆様方と大いに盛り上げ、充実したものになるよう努力する所存でおります。どうぞ宜しくお願い致します。

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