医学における利益相反(conflict of interest:COI)とは、科学的客観性の確保や患者ないし被験者の利益を保護するという研究者や研究機関の責任に、不当な影響を与え、重大なリスクを生じうるような利害の対立状況を指します。具体的には、企業等営利団体からの資金提供によって実施された医学研究の結果の判断が、資金提供元にとって有利あるいは不利になる可能性がある場合に、公正であるべき研究結果の判断に影響をもたらしかねないと第三者から見て懸念される状況を意味します。
発表に際して日本腎不全看護学会HP上の第26回⽇本腎不全看護学会学術集会では、看護研究成果を本会で発表する場合、当該研究実施に関わる利益相反状態の自己申告及び開⽰が必要となります。
(日本医師会COI管理ガイドライン: https://jams.med.or.jp/guideline/coi_guidelines_2020.pdf)
(1)開示する対象者・条件
- ・開示が必要となる対象者は発表者全員です。
- ・開示の対象期間は抄録提出時より過去3年間です。
- ・発表する演題が、以下の条件に該当する場合には利益相反状態の申告が必要となります。
(2)臨床研究の定義
当学術集会における発表は、原則的に「臨床研究」に該当すると考えられます。
「臨床研究」の定義については『臨床研究の倫理指針』(厚生労働省)を参照してください。
(3)演題登録から過去3年以内に、発表内容に関連する企業や営利を目的とする団体から、下記のいずれかに該当する報酬などを受けている。
- ① 企業・法人組織、営利を目的とする団体での役員、顧問
→年間の合計収入が100万円以上の年間の合計収入が100万円以上の場合
- ② 産学連携活動の相手先のエクイティ(株保有・利益など)
→年間の株式による利益(配当、売却益の総和)が100万円以上の場合或いは当該全株式の5%以上を所有する場合
- ③ 企業・組織や団体からの特許使用許諾ならびに特許使用料
→特許使用許諾もしくは1つの権利使用料が年間100万円以上の場合
- ④ 企業・組織や団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)
→1つの企業・団体からの講演料が年間50万円以上の場合
- ⑤ 企業・組織や団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料
→1つの企業・団体からの原稿料が年間50万円以上の場合
- ⑥ 企業・組織や団体が提供する研究費
→1つの企業・団体から医学研究(受託研究費、共同研究費、臨床試験など)に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約費の支払われた総額が年間100万円以上の場合
- ⑦ 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄付金
→1つの企業・組織や団体から、申告者個人または申告者が所属する講座・分野・研究室等に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金の総額が年間100万円以上の場合
- ⑧ 寄付講座所属
→企業・組織や団体が提供する寄附講座に申告者が所属している場合
- ⑨ 試薬・機器・役務等の供与
→医学研究において使用される試薬・機器などを無償もしくは特に有利な価格で提供があった場合や、データ解析その他の役務提供があった場合
- ⑩ 研究とは直接無関係な旅行、贈答品、金品、便宜などの特別な提供
→1つの企業・組織や団体から受けた提供の総額が年間5万円以上の場合
(4)利益相反状態の開示の方法
演題発表時には、利益相反状態の開示が必要になります。
利益相反の有無を、口演演題はスクリーン掲示、ポスター演題はポスター掲示にて開示ください。
(下記よりサンプルデータ(PPT)をダウンロードし加工してご使用ください。)
開示例)