第47回日本造血・免疫細胞療法学会 総会

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会長挨拶

第47回日本造血・免疫細胞療法学会 総会
会長 日野 雅之
(大阪公立大学 血液腫瘍制御学(血液内科・造血細胞移植科)教授)
第47回日本造血・免疫細胞療法学会 総会 会長 日野雅之

第47回日本造血・免疫細胞療法学会総会を大阪で開催させていただきます。日程は2025年2月27日から3月1日で大阪万博の直前です。テーマは「みんなが笑顔になりますように〜SMILE〜」です。

基礎研究により複雑な病態が解明され、ミニ移植やPTCYを用いたハプロ移植、CAR-T治療や二重特異抗体、分子標的薬など新たな治療法の開発、前処置毒性や感染症、GVHD、類洞閉塞症候群などさまざまな合併症に対する支持療法の充実、ドナー負担の軽減、骨髄・臍帯血バンクなどの体制整備などにより、造血細胞移植および免疫細胞療法は急速に進歩し、多くの患者さんが治療を受けられるようになり、成績も向上しています。また、分子標的薬をはじめとした様々な薬剤や治療法の開発によりGVHDなど生命を脅かし、日常生活に支障が出るような合併症に対する治療選択も増え、加えて本学会および造血幹細胞移植推進拠点病院による人材育成、コーディネート支援、地域連携事業により妊孕性温存やLTFU、トランジション、アピアランスケア、就労支援などの体制の充実も図られております。さらに近年、血液疾患の治療成績を向上させるため、ゲノム情報や電子カルテ情報を安全かつ統合的に収集し、人工知能など最新技術を用いて診療を支援するデジタルトランスフォーメーションの試みも始まっております。現時点でも非寛解期の治療や再発など残された課題はありますが、不治の病を治すことを目指す時代から普通の日常生活が送れることを目指す時代になりつつあると思います。私たちが目指す医療は医師、歯科医師、看護師、HCTC、理学療法士、臨床工学技士、臨床検査技師、栄養士、ソーシャルワーカーなどの医療チーム、骨髄バンクや臍帯血バンク、日本赤十字社、日本造血細胞移植データセンター、厚生労働省、産業界、その他多くの皆様がお互いの専門性を活かして協働することで進歩してきました。本学会に参加する若い人たちがバトンを繋いでさらに発展させ、患者、ドナー、患者家族に加えて、医療従事者をはじめ、関わる「みんなが笑顔になる」ような素晴らしい造血細胞移植、免疫細胞療法を確立できるように学会中は最新の知見に触れ、議論を楽しんで頂きたいと願っております。そして、学会が終わりましたら、美味しいものをいっぱい食べて、いっぱい遊んで大阪を満喫していただければ幸いです。

大阪でみなさまにお会いする事を心待ちにしております。