第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会

ご挨拶

第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会開催のご挨拶
第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会
会長 谷口 修一
国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 病院長
第46回日本造血・免疫細胞療法学会 総会 会長 谷口修一

第46回日本造血・免疫細胞療法学会を東京国際フォーラムで開催します。私と虎の門病院にとっては、2020年3月に開催予定であった第42回総会の再挑戦となります。私の異動に伴い、古巣である浜の町病院の仲間も加わり、学会を運営します。東京と福岡両方の良さを味わっていただけるような学会をめざします。この学会に対する思いもポスターの「昇る金星」に対する思いも4年前と変わりません。以下は再掲となりますが、いま一度お読みいただければ幸いです。

この20年、移植医療に大きく立ちはだかっていた二つの壁がなくなりました。一つは、「ミニ移植」の概念の導入により、それまで移植不能とされた高齢もしくは臓器障害を持つ患者さんにまで移植の可能性を広げたこと、もう一つは、ほぼ全ての患者さんが、適切な時期に、適切なドナーが得られるようになったことです。これは骨髄・臍帯血バンクの充実とHLA不適合移植の技術革新によるものです。移植以外の新規治療法の開発もめざましく、分子標的薬をはじめとする各種抗がん剤、CAR-T療法などの細胞治療、そして日本発の免疫療法であるPD-1抗体など枚挙にいとまがありません。
が、以前に比べて血液内科の治療がより楽観的になったでしょうか?今でも、患者は、生命の危機におびえ、社会的にも家庭にも大きな犠牲を払い、そう簡単には受けいれられない混乱の日々を過ごしておられませんか?寛解導入できない苦しさ、再発に泣く患者(と主治医・・・)。我々はその厳しい現場に立ち、それでも患者が人生の表舞台に復帰できるよう努めねばなりません。逃げ出したくなるほどの重責ですが、この学会は、日本中の各所で同じ苦しみをもって精進している仲間とそれぞれの工夫、努力、苦労を分かち合い、お互いに刺激し合う場と思います。この出会いが、それぞれの持ち場での明日の診療の糧となることを期待しています。
ポスターの「昇る金星」は旧友の写真家遠藤湖舟氏の作品です。暗黒の空に輝く金星が、ここを乗り切ればと苦しむ中でふと差してくる一筋の光と重なりました。

ページトップへ戻る