第98回日本産業衛生学会

ご挨拶

第98回日本産業衛生学会 企画運営委員長 黒澤 一
第98回日本産業衛生学会
企画運営委員長 黒澤 一
(東北大学環境・安全推進センター 教授・統括産業医)

 第98回 日本産業衛生学会を2025年5月14日(水)から17日(土)までの4日間、仙台国際センター展示場、東北大学萩ホール、仙台緑彩館、仙台市博物館で開催させていただきます。今回の学会は東北地方会の担当であり、魅力ある充実した学会開催にするべく、地方会員が一丸となって努力していく所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今でも記憶に新しく、2011年に東日本大震災がありました。あれから10年以上も経過しましたが、東北地方の随所に大きな爪痕がまだまだ見られます。しかしながら、コミュニティや産業の復興も進んでおり、その際のキーワードの1つを入れ込んで、今回の大会テーマを、「持続可能でよりよい世界を目指す産業保健」とさせて頂きました。津波の被害を乗り越え、見事に美しさを取り戻した穏やかな砂浜の姿をポスターにしましたが、絵に込めた思いを感じとっていただければ幸いです。

 新型コロナウイルス感染症パンデミックは、著しく社会を変え、産業保健も例外ではありませんでした。その上に、わが国の少子高齢化、働き方改革などの要素がバックグラウンドに存在し、国外の戦争や外国為替の状況など、大きな社会変化が加わって、さらに複雑で多様化した状況になっていることは間違いありません。平和で安定した社会、だれもが幸せに暮らせる世界は、社会が望む方向であるはずです。そのために、社会の一員として産業保健職の一人ひとり、あるいは学会組織として今何をすればよいのか、考える学会にしたいと思います。

 学会開催は、杜の都仙台の木々が一斉に緑になって、最も爽やかな清々しい季節に重なります。会議棟が改修工事に入るため、仙台国際センターの半分が使えず、開催を断念しかけましたが、仙台市や東北大学のご協力をうけて、なんとかセンター一帯の会場を使用して開催を可能にする計画を立案できるところまでこぎつけました。会場は分散してしまいますが、実はすべてその一帯は仙台城の敷地の中です。ご不便とは存じますが、往時を偲びつつ会場間を往来していただければと存じます。

 コロナ禍以後、リモート参加も通常となり、その便利さを享受していることは間違いありません。シンポジウムや教育講演などの企画については、オンデマンドで後日その内容を配信し、聴講できるようにいたします。同時に、対面での学会現地参加の良さもあらためて味わったと思いますので、是非とも現地参加の醍醐味も十分に味わっていただきたいと思っております。全体懇親会では、ユネスコ世界遺産ともなった西馬音内盆踊りのご披露を予定しており、東北の名産や銘酒をご賞味いただくことなど、楽しい企画も考えております。皆様の演題の提出および沢山の方々の学会参加を心よりお待ちしております。

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