『何でだろう?』は人生を楽しむ魔法の言葉
昭和63年5月。浪速大学東3階病棟、教授回診。万鍋教授(スリットを覗きながら)『えらいことになっとるなぁ。なんでこんなことになったんや?』東田研修医『えーっと、感染が遷延しているからだと思います』万鍋P『なんでや?』東田『ううっ…』桑川病棟医長『後で説明しますから。患者さんは病室に戻って下さい』。
患者さんの前であれ、疑問に思ったことは『なんでや?』を連発する教授、医局に行くと『僕らはノイエス(neues[独]=something
new)を大切にするんや』と上村先生が吠え、『みんな幻を見てるのよ』と恵美子先生がうそぶいている、そんな環境で僕たちは育ちました。常識と言われるものを疑い、論理的に説明がつくまで、何でだろうと考えるマインドが医科学のベースであり、仮説を立て、それを検証したものを発表するのが学会だと思います。
この度、2025年10月9日(木)~ 12日(日)の4日間、大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪にて、第79回日本臨床眼科学会(以下、臨眼)を開催させていただくことになりました(会場設備の関係で愛知ではなく大阪になりました)。
今回の臨眼は、テーマを『何でや-知的好奇心』とし、学会の原点に立ち戻って、仮説の証明と討論を楽しむ学会にしたいと思い、一般講演の一部をVIP(Very Interesting Presentation)(領域講習単位プログラム)、Late Breaking Sessionなど、プログラム委員会に色々と無理なお願いしました。また、クオータ制(日眼会誌2023年6月号参照)を意識して、シンポジストなどの40%以上を女性で選んで頂きました。石田委員長をはじめプログラム委員の先生には深く感謝致します。
外来していても、オペしていても、勿論研究していても、開業であろうと大学勤務であろうと、医師であろうとコメディカルであろうと、好奇心を失わず、時に「何でや?」「どうしてこうなってるの?」と思うこと(更に一歩進んで、これが原因?ほんとかな?と調べること)は、楽しいことだと思います。日々の臨床に楽しみを見出せれば、人生が楽しく、豊かになります。この臨眼が、そのきっかけになれば望外の喜びです。
太橋先生が『明日できることは今日するな。早よxx*しよ。』と呼んでいます。『良く学び良く遊べ』も、若き日の木上先生に叩き込まれたモットーの1つです。学会が終われば、USJでの会長招宴、一般懇親会もお楽しみください(野外ですから多野先生も空の上から細い目を更に細めて見守っていてくれると思います)。ネットワーキングも学会の重要な目的の1つです。
2025年10月9日(木)~ 12日(日/祝)の4日間、大いに議論を楽しみ、眼科臨床の最先端を学んで頂ければ、心を込めて学会準備をした我々愛知医大眼科一同の喜びです。
*:TVゲーム(テニスが多かった)、トランプ、麻雀
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