謹啓
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。企画運営委員長としてHPを開設するにあたり、一言ご挨拶させて頂きます。 2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、第93回学会、第30回本学会協議会がWEB上での開催となりました。特に、昨年春の第93回学会は、演題登録も済み、全プログラムが決定した後のWEB開催への移行であり、運営に携わった先生方はもちろん、参加する皆様にとって大きなできごととなりました。また、学会の場でこそ実現できる、討論や親交が交わせず、残念な思いを持った方も多かったと思います。
このような状況で、活動が自粛続きとなっていたことから、第94回日本産業衛生学会は、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で、2021年5月18日(火)~21日(金)、長野県松本市に直接集まっていただく集合開催と、同時にWEB上でリアルタイムに参加いただくWEB開催をハイブリッドで実施、その後5月24日(月)~6月25日(金)(予定)にオンデマンド開催も取り入れ、ダブルハイブリッド形式で開催させていただくことになりました。
日本産業衛生学会は、昭和4年(1929年)に発足以来、1945年に未開催であった年を除き、現在まで94回の学会を開催、学会誌も発刊を続け、産業保健分野における基礎研究から職域での様々な課題について、広く議論の場を持ち、そこからエビデンスを発信し続けてきました。その課題は、化学物質の毒性機序の解明といった産業中毒学の分野から、健康管理や労働関係の法規・制度に関することまで、非常に広い範囲を担当しています。そして、近年になり、少子化、高齢化、それに伴う外国人労働者の移入など、就業環境に変化がある一方、働き方改革やAI(人工知能)の発展など、産業保健を巡る環境は大きく変わってきています。本学会は、このような変化に対応できる柔軟性を持ちながら、日々進化していきたいと考えています。
今学会のメインテーマは「全ての人に産業保健の光を」です。産業保健は、性別や人種、価値観、障害の有無といった多様性に対応する、ダイバーシティー対応であるべきであり、また、勤務する職種や職場の大小に関わらず、産業保健の成果を享受することができなければなりません。「全ての人に」産業保健の光があたるよう、産業保健を前に進める、そういった学会にしたいと考えています。一人でも多くの皆さんの参加を歓迎すると共に、良い研鑽の機会として頂けたらと考えております。
春爛漫の「岳都」「楽都」「学都」松本で、第94回日本産業衛生学会にご参加頂けるよう、お待ち申し上げております。